宇部市、給食費の値上げと調理業務の民間委託を検討

宇部市教育委員会(白石千代教育長)が、管轄下にある小・中学校の給食費の値上げを検討していることがわかった。9日の第1回学校給食運営委員会(津守一郎会長、委員14名)で報告された。

教委側は値上げの理由として、(1)地産地消の推進や消費増税によって今後の食材費用増加が見込まれる(2)周辺地域で段階的に値上げを実施する自治体が増えている(3)旧楠町域とその他の地域とで給食費に差異が生じていて、市内で統一されていないことなどを挙げ、委員らに値上げの承認を求めた。

宇部市立の小中学校の給食費は、平成10年に1食当たり小学校230円、中学校260円と改定されて以来、15年間据え置かれている。平成16年に楠町を編入合併した際も改定は行われず、旧楠町域では1食あたり小学校225円、中学校255円と、市内で差額が生じている。

また、同委員会では、来年度から食器類の洗浄・清掃を含む学校給食の調理業務を民間に委託することも報告された。委託により人件費などの経費削減が見込まれ、地産地消の拡充や献立の充実、食物アレルギーへの対応、給食食器の更新、食育の充実強化などにより学校給食の高品質化が進むとしている。

学校給食の民間委託を巡っては、平成21年7月、委託先に対して作業基準に則った調理業務を求めたことが「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)に抵触しているとして、鳩ヶ谷市が厚生労働省埼玉労働局の是正指導を受けている。

学校給食法では「学校給食実施基準」「学校給食衛生管理基準」の実施が規定されているが、同市は「偽装請負」状態の解消のため、委託契約から作業基準に関する項目を削除した。平成21年12月には、学校給食の調理業務を民間に委託していた東京都足立区の小学校で集団食中毒が発生し、児童、教員、調理員など200人におよぶ被害が出ている。

藤本一規委員(西宇部中学校PTA会長)は、宇部市が調理や洗浄のみを民間事業者に委託することは、同基準で禁止されている「単に肉体的な労働力を提供させる行為」に該当する可能性があると指摘している。


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