スターフライヤーが宇部—東京線就航へ 福岡から関門へシフトか

北九州空港を本拠地とする航空会社のスターフライヤー(SFJ、北九州市小倉南区、TYO:9206)は18日、新たに宇部—東京線に就航する方針であることを発表した。宇部線就航により同社の国内線路線網は北九州—東京、関西—東京、福岡—東京、福岡—中部の既存4路線に加え5路線となる。

就航予定日や便数等については関係機関との調整、認可を踏まえて別途公表する予定だが、先行して新聞各紙により具体的な内容が報じられている。報道などによると、就航は今年10月からで、便数は1日3往復。全ての便においてANAホールディングス(ANAHD、東京都港区、TYO:9202)完全子会社の全日本空輸(ANA、東京都港区)と共同運行(コードシェア)を実施するという。

混雑の激しい東京国際空港(羽田空港)には航空会社ごとの発着枠制限があるため、宇部線就航のためには他の路線の減便が必要となる。減便の対象となる路線については『朝日新聞』(‎2014年6月12日‎付)が「福岡線を2-3往復程度減便」、『毎日新聞』(同日付)が「北九州線1往復と福岡線2往復の減便」、2日遅れて『読売新聞』(‎2014年6月14日‎付)が「福岡—羽田線を3往復減らす」「北九州―羽田線については、現状の12往復を維持」と報じるなど、各社により内容が異なるが、少なくとも福岡から関門地域へ2往復以上を移管することになる。

福岡線は東京本社と福岡の支店の間を移動するビジネス客が主体で、利用者は多いが路線参入社も多く、激しい競争により客単価が他の路線よりも低い。搭乗率の数字は北九州線と同程度だが、収益は極めて厳しい状況だ。一方、宇部線は北九州と同様に大企業の東京本社と地域本社、拠点工場間の安定した需要があり一定の収益が見込める。

同社は、2006年に就航した新規航空会社。通常170席程度を設置できる機体の座席を150席に減らして1席あたりの空間を広げているほか、ドリンクの無料提供や座席モニターでのエンターテイメントサービス、電源コンセントの全席設置など、既存の大手航空会社やLCCとは一線を画したサービス内容が注目を集め、JCSI(日本版顧客満足度指数)の国内航空業界部門では2009年度より5年連続で顧客満足度1位を記録している。

経営面では、2009年に就任した投資会社出身である米原慎一前社長のもとで、新規路線開設や新機材の導入等を積極的に進め、急速に売上高を伸ばしたが、福岡空港への路線開設以来、他社との激しい競争に伴う客単価の低下等により経営状況は悪化。2014年3月期決算では約30億円の赤字に転落し、米原氏は3月31日をもって引責辞任した。

米原氏の退任後は、筆頭株主であるANAHDの主導で経営合理化計画を進めており、今回の宇部線就航はその一環となる。25日の株主総会で社長に就任予定の松石禎己氏は、ANA出身で、スターフライヤー入社以前はANAHDが出資するスカイネットアジア航空(宮崎市)の副社長を務めていた。

SFJの宇部線就航に際して、ANAは同路線から3往復減便することが報じられている。ANAの宇部線は現在ボーイング767(270席、プレミアムクラス10席)で運航しており、これがSFJのエアバス320(144席ないし150席)となると実質的には大幅な供給減となる。ただ、ANAは今年上期に宇部線を一時増便しており、現行ダイヤにおける空白時間帯の需要を見極めた上で、今後SFJの小型機材で増便する可能性もある。

なお、本件について同社経営企画本部経営戦略部の広報担当者は、報道されている内容に関して、プレスリリースで発表した事項以外に決定した事実は無いと回答している。


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