黒崎二丁目地区市街地再開発準備組合の解散経緯を検証する (2)北橋市長の提案と裏切り

準備組合は応援団案とは別の独自の案を作成するため、コンサルタント5社を選定。1カ月半かけ出来上がった提案書をもとに、プロポーザルを経てアプレイザルジャパン(福岡市中央区)を採用した。

組合は同社に基本計画(A調査)の作成を発注し、半年かけて作成。ふれあい通り側と新天街側の2街区を一体的に整備することも了承されたが、1人の土地所有者がどうしても合意できないため、事業区域から除外した。

基本計画の進展を受け、市は平成23年度予算に新規事業として黒崎二丁目地区市街地再開発推進計画作成事業を盛り込み、組合に代わり推進計画(B調査)の作成を開始した。

推進計画作成事業は北九州市住宅・住環境整備計画の基幹事業として記載され、国が助成する社会資本整備総合交付金を含めた全体事業費は約7百万円。同年度中の計画策定を予定していた。

転機は23年6月17日、北橋健治北九州市長との面会だった。組合から申し入れ、理事ら数人で説明に出向いたが、北橋市長側から八幡西区役所の移転先としてはどうかと提案があった。

区役所が入居するとなれば数千平米単位の面積を占め、利用者も多いことから組合としては願ってもないことだ。面会は大いに盛り上がり、10分の予定が35分話すことになったという。

コムシティ

一方、同時期に市が開催していた「コムシティ再生のあり方検討会」では、同年4月27日に行われた第3回会議の時点で「区役所を含めた行政サービス機能」の要望が示され、回を重ねるごとに区役所を想定した検討が具体化していった。

検討会は6月2日の中間報告で「国県市の総合的行政サービス」、8月9日の最終報告で「国県市の広域行政サービス」と記載するに留め「区役所」の文言を濁していたが、北橋市長は8月31日、八幡西区役所の移転を含むコムシティ再生計画の骨子案を発表した。

市長の提案を受け、区役所移転を前提としたモデル案を再検討していた組合からすると骨子案は寝耳に水で、一部の地権者が不信感を抱き始めるきっかけのひとつとなった。

組合は、広島市公文書館が入居した大手町四丁目1番地区市街地再開発事業(大手町平和ビル)を参考に、区役所に代わる公共施設として小倉北区の北九州市立文書館の移転などを提案したが、市は他の大型事業があり予算を配分できないとして拒絶した。

公共施設の誘致が困難となり、組合では別の案の作成を迫られる中、公開空地整備や新天街のアーケード問題など様々な課題が生じ調整作業に追われた。

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