黒崎二丁目地区市街地再開発準備組合の解散経緯を検証する (1)地区の概要と組合設立の経緯

北九州市建築都市局は5月25日、北九州市議会建築消防委員会で、黒崎二丁目地区市街地再開発準備組合が解散に至った経緯として「一部地権者の反対や、大口地権者の退会」など主に地権者側の対応を中心に報告した。

翌日、5月26日付の毎日新聞北九州版はこの報告に沿った記事を掲載し、地権者側で発生した問題が事業を頓挫させたかのような印象が広まりつつある。

しかし、関係者による講演記録など複数の情報をもとに、解散に至る詳細な経緯を検証すると、関係権利者のほとんどが事業に積極的だったにも関わらず、行政やコンサルタント側の対応が原因で事業意欲を失い、組合から去ったことがわかった。

黒崎二丁目地区の位置・範囲図

黒崎二丁目地区は、JR黒崎駅前に広がる黒崎副都心地区の中心に位置する。地区面積は約0.8ヘクタールで、西側がふれあい通り、東側が黒崎駅前新天街に面する。

同地区では十数年前に再開発の機運が高まり、準備組合を結成する動きもあったが設立には至らなかった。地区内にあった黒崎井筒屋は昭和34年開業で老朽化が進んでおり、平成13年に黒崎駅前の旧黒崎そごう跡に移転した。

井筒屋(小倉北区、TYO:8260)は黒崎井筒屋跡の建物を改装し井筒屋アネックス-1を開店したが、古い建物を使い続けるには限界がある。地区内では他の多くの建物も老朽化し、一部に密集した木造建築物が存在するなど防災上の問題を抱えていた。

北九州市は地区の一体的な高度利用と機能更新を図るため、平成19年に市街地再開発事業を都市計画決定。21年、市から委託を受けた北九州まちづくり応援団(小倉北区)が地区内の土地所有者への戸別訪問を開始した。

応援団担当者が地権者13人全員を訪問するまで半年かかったものの、7月からは応援団が独自に作成したモデル案をもとに勉強会を開き、地権者の理解を深めていった。

この時のモデル案は、地区中央の街路を小倉駅南口東地区と同様に2、3階までの吹き抜け自由通路として残し、その上空は1フロアとして一体的な建物を建設するもの。1階・2階は商業施設と関連サービス施設、3階以上は公共施設、6階から10階は分譲住宅を想定していた。

同年11月、5人が発起人として名乗りを上げ、22年3月には3人が加わり、8人で発起人会による具体的な勉強会を開始。以降、行政も交え具体化に向けた検討が始まった。

そして11月16日、準備組合が正式に設立される。この時点で関係権利者は、土地所有者、借地権者、借家権者(テナント)の合計で共有者を含まず28人。組合理事長には地区内で「めがねのイシモト」を営業するイシモト(八幡西区)代表取締役の石本淳子氏が就任した。

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