旦過市場再整備、D案軸に基本計画 河川上店舗は復元せず

平成30年度の整備着手を目指し、旦過市場(北九州市小倉北区)の再整備計画案の絞り込みを進めていた旦過地区まちづくり整備準備委員会(黒瀬善裕委員長=かしわ屋くろせ)は15日、D案を軸にした基本計画を公表した。

同委員会は平成27年7月に市場関係者が中心となって設立。市から委託を受けたアール・アイ・エー九州支社(福岡市博多区)の支援により人工地盤を造るA・B・C案、人工地盤を造らないD・E案の5案を作成し、事業化に向け検討・調整を行っていた。

D案は、神嶽川上空に人工地盤を設けず、河川拡幅に伴い市場全体を陸地側(東側)に約10メートル移設する内容。1階部分の店舗面積は減少するが、工期が短く仮設店舗の営業期間も短縮できるため、事業費を抑制できる。

新市場の魚町銀天街側外観(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場の魚町銀天街側外観(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場の旦過駅側外観(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場の旦過駅側外観(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

基本計画では、第一段階の工事として、現在旦過パーキングや中央市場などがある、モノレール旦過駅に隣接する部分に3階建てのビルを建設し、1、2階を店舗、3階と屋上を約100台収容の駐車場とする。

その後、店舗が入る2階建ての建物など4棟を建設する。現状の商業面積は丸和を除くと約3500平米だが、再整備後は合計約6100平米に拡大する。

整備後の内訳は、市場店舗が1階2400平米、2階1800平米、その他施設が1階1000平米、2階900平米。市場店舗以外の施設としては、フードコートや生鮮品以外の日用雑貨を扱うミニスーパー、託児所、生活雑貨、クリニック、ATMなどを想定している。

新市場のアーケード通路(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場のアーケード通路(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場のビル内通路(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

新市場のビル内通路(旦過地区まちづくり整備準備委員会)

市場内の主要通路には、現在と同様にアーケードを設置する。道路部分は幅4メートルだが、両側の店舗を1メートルセットバックし、実質的に幅6メートルの通路として機能するよう整備する。

河川幅が約25メートルに拡がる神嶽川の両岸には、幅3メートルの通路を整備して親水性を高める。また、市場の中間付近に歩行者用の橋梁を新設し、馬借方面との回遊性向上を図る。

駐車場が入るビルは、D案では4階建てとしていたが、構造を見直し収容台数はそのままに階数を減らした。D案で約50億円から60億円としていた総事業費は、基本計画では約28億6千万円に抑えた。

今後、土地・建物の所有者など約220人いる権利者の意向を確認し、事業主体となる組織を設立、平成30年度の着工を目指す。工期はD案の34か月から大幅に拡大し、4年半を見込む。期間中は北九州市立商工貿易会館前広場に仮設店舗を設け営業を続ける。

店舗の老朽化が進んでいた旦過市場では、周辺地域を含む約1.5ヘクタールを対象に旦過第一地区市街地再開発事業の実施を計画し、平成12年2月に準備組合を設立。オフィスや住宅などからなる30階建ての高層ビルなどを建設する予定だったが、権利者の合意が得られず中断していた。

平成27年7月29日の北九州市議会環境建設委員会の配布資料に記載された計画案(北九州市建設局河川部)

平成27年7月29日の北九州市議会環境建設委員会の配布資料に記載された計画案(北九州市建設局河川部)

現在の旦過市場は神嶽川の上空に店舗がせり出した構造となっており、流下能力を妨げている上に周辺より地盤が低く、度々浸水被害が発生している。市場対岸では護岸の一部が崩落しており、同時期施工の店舗下護岸も崩落の危険性がある。

このままでは市場や周辺の環境を維持することもできないため、市は先行して神嶽川の河川改修に着手。市場側は旦過第一地区に含まれていた新旦過飲食街などの地域を除外し、旦過市場本体のみ整備する方向で検討を進めていた。

旦過市場再整備の概要(グーグルマップ)


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