響灘地区バイオマス専焼火力発電所の優先交渉者選定 投資額約440億円

北九州市はこのほど、同市若松区の北九州港響灘地区で計画しているバイオマス専焼火力発電所設置・運営事業に関する企画提案公募を実施し、オリックス(東京都港区、TYO:8591)とMOT総合研究所(MOT総研、宇部市)を優先交渉者として選定した。投資額は合計で約440億円。

同事業は生物由来のバイオマス燃料のみを用いる発電所を北九州港響灘地区に建設するもので、優先交渉者の選定にあたっては、事業評価委員会の評価・意見を参考に、事業実施能力や響灘西地区で計画中のバイオマス燃料集配基地との連携といった事項等を市が総合的に審査した。

オリックスの提案は、木質ペレット・PKS(パーム椰子搾油後の殻)を燃料とする出力5万キロワットの発電所を建設するもので、投資額は約260億円。同社はバイオマス専焼火力発電所の運営実績があり、響灘東地区でも同社100パーセント出資の混焼式発電所「ひびき灘石炭・バイオマス発電所」を建設中。

この他、燃料集配基地の運営主体への資本参加を検討していることや、商社経由とすることなどにより確実性の高い燃料調達を実施できること、総投資額の3割を自己資金とし、残りをプロジェクトファイナンスで充当する資金計画についても、十分に組成実績があることなどが評価された。

MOT総研の提案は、木質チップを燃料とする出力3.7万キロワットの発電所を建設するもので、投資額は約180億円。事業は丸紅プロテックス(東京都新宿区)、MOTホールディングス(MOTHD、山口市)、山口ソーシャルファイナンス(同)、MCCプラント(北九州市小倉北区)の連合体で実施する。

MOT総研は山口大学発のシンクタンクで、山口ソーシャルファイナンスは同社と山口フィナンシャルグループ(山口FG、下関市、TYO:8418)傘下の山口銀行(同)などとの共同出資会社、MCCプラントは三菱ケミカルホールディングス(三菱ケミカルHD、東京都千代田区、TYO:4188)と共同で設立した。

同社は既に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の設備認定を取得し、電力会社との系統連系の協議も完了しているなど、発電開始までに必要な諸手続きが進んでおり計画の実現可能性が高いこと、燃料集配基地利用について概算委託料を見込んでいることなどが評価された。

また、同社は燃料供給に関する覚書を燃料供給元と締結済みで、金融機関による融資関心表明書(LOI)発行の予定があり、資金調達の確実性が高いことも評価された。オリックス、MOT総研とも、発電所で用いる発電燃料は響灘西地区のバイオマス燃料集配基地経由で調達するとしている。

事業者評価委員会による検討は7月29日に行われた。応募者の評価点は200点満点中、オリックスは168点、MOT総研は148点、他4者は121点、113点、81点、66点だった。委員会では優先交渉者と他4者には大きな差があるため、仮に協議が整わなかった際は繰り上げせず再度公募するのが望ましいとした。

市は今後、事業推進に向け優先交渉者と覚書を締結。優先交渉者は、環境アセスメントや電力会社への系統連系といった諸手続きが終了次第、発電事業者として市と契約を締結する。市は企画提案の早期実現に向け、優先交渉者への支援を行う方針。


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