下関北九州道路について「必要性再整理」 国交省の姿勢軟化

石井啓一国土交通大臣は11月16日、下関市と北九州市の都心部を直結する下関北九州道路について「他の(海峡横断)プロジェクトとの違いを踏まえながら地域で検討していただき、一度、ゼロベースで必要性を再整理することが必要と考える」と述べた。衆議院国土交通委員会で、吉田宣弘議員(公明党、比例九州ブロック選出)の質問に答えた。

下関北九州道路はかつて「海峡横断プロジェクト」の一つに位置付けられ、「関門海峡道路」として検討が行われていた。しかし、平成20年に政府は個別プロジェクトの調査は行わない方針を決定し、他のプロジェクトとまとめて調査が中止された経緯がある。

吉田氏は、関門地域が古くから一体の経済圏を形成しており、「海峡幅が10キロ以上もある他の海峡横断プロジェクトとは明らかに違う」として、既存の関門トンネルや関門橋と異なる、下関市と北九州市の都心部を直結する新ルートの整備について、国土交通大臣の見解を求めた。

石井氏は「下関北九州道路については既に繋がっている関門トンネルや関門橋のバイパス機能の確保など、他の5つの海峡横断プロジェクトとの違いがあると認識している」と述べ、PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)等の民間資金を活用する手法を含め、地域で検討した上で必要性を再整理する必要があるとした。

下関北九州道路について、直近では今年4月1日、衆議院環境委員会で河野正美議員(おおさか維新の会・現日本維新の会、比例九州ブロック)が質問していたが、青木由行政府参考人は従来の政府答弁と同様に「地元の調査検討の状況を見守りたい」と答弁していた。

今回、石井氏は「関門地域の経済発展のため、下関北九州道路の必要性や1日も早い実現について地元の多方面の方々から要望をいただいていることは十分に受け止めている」とも述べ、地元自治体や経済団体の熱心な要望活動が政府の姿勢を軟化させたとみられる。

石井氏は衆議院国土交通委員会の直後、11月20日に北九州市を訪れ、下関北九州道路の想定ルートにある日明海峡釣り公園(小倉北区西港町)から下関市を望み、関係者から説明を受けた。視察を終えた石井氏は「将来的には政府の調査もあるかもしれない」「一般的なバイパスと同じ位置付けで必要性を検討したい」と述べた。

石井啓一国土交通大臣の視察地(グーグルマップ)


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