下関北九州道路と海峡横断プロジェクトは別物 同縮尺で比較

石井啓一国土交通大臣が、下関北九州道路の「必要性を再整理」と述べたことについて、一部新聞社が「海峡横断プロジェクトの復活」と混同している。石井大臣の発言は「他の5つの海峡横断プロジェクトとの違いがある」との認識を示したもので、同プロジェクトの復活ではない。

下関北九州道路と海峡横断プロジェクトの比較図(宇部ジャーナル)

下関北九州道路と海峡横断プロジェクトの比較図(宇部ジャーナル、クリック・タップで拡大)

海峡横断プロジェクトに位置付けられる他の構想は、津軽海峡(海上距離約20km)、東京湾口(同10km)、伊勢湾口(同12km)、紀淡連絡(同6.5km)、豊予海峡(同14km)、島原天草長島連絡(同6.5km)といった幅の広い海峡等で、過去にほとんど例のない事業となる。

一方、関門海峡は幅が0.7kmから最大でも2.5km程度と狭い。道路の計画部分は幅約2kmであり、北九州空港連絡橋と同程度だ。国内での事業実績もある。また、関門海峡の両岸は関門都市圏の都心地域として市街化し、下関北九州道路は市街地内を結ぶ幹線道路としての役目も持つ。

他の6つのプロジェクトは、市街地から離れた半島地域や離島地域を結ぶものが大半で、主に広域の「国土軸」の一部としての位置付けだ。それぞれの地域が訴える事業の意義は理解できるが、下関北九州道路と他の6つのプロジェクトとでは、事業の規模や位置付けが全く異なる。

17日付の毎日新聞は、東京湾口道路の推進団体関係者の「下関だけが他の海峡道路とどう違うのか」との意見を紹介しているが、上記の図を見れば違いは一目瞭然だ。下関北九州道路の海上距離は、海峡横断プロジェクトではない大阪湾岸道路西伸部(神戸市)の半分に満たない。

下関北九州道路が過去、「関門海峡道路」として海峡横断プロジェクトの一つに位置付けられていたのは事実だ。しかし、実態が大きく異なる他の海峡と関門海峡を同様の位置付けとしていたことが異常であり、海峡横断プロジェクトから外れたことで本来の姿になったと言える。


(記事編集:

おすすめ記事(Google提供)

宇部ジャーナルの最新記事